年齢とともに、汗の質が変わってきた・・・そんな経験ありませんか?学生時代の部活動なんかで沢山汗をかいてもあまり気にならなかったと思いますし、『ポ〇リスエット』的なCMなんかの汗は、むしろ爽やかさすら感じます(出演している役者さんのイメージなんでしょうが笑)。でも、中高年になると汗がベトベトしたり、大量にかいたり、逆に暑いのに汗をかけなくなったり。中高年の人を集めて同じようなCMを作ったら、果たして購買意欲が湧くか・・・って、すみません(^^;)
こういった汗の変化は、加齢や運動不足などによる発汗機能と、体温調節機能の低下により起こります。汗腺の機能が弱まると、汗の粒が大きくネバネバしていますし、蒸発しにくいため、体温を調節する効率も悪くなります。汗の成分の99%は水分で、残りは塩分やミネラル、乳酸などの老廃物です。汗腺は血液中から汗の原料(血漿)をくみあげ、体に必要なミネラルを血液に戻し、残った水分などが汗として体の外に出します。この機能が低下していると、我々にとって必要な成分や老廃物を含んだしょっぱくてにおいの強い、『爽やかじゃない汗』になります。この汗は、本来身体に必要な成分を含んでいるため、大量に発汗すると疲れやすくなったり、熱中症を起こしやすくなったりします。
「あなたの汗は、良い汗? 悪い汗?」 | サントリー健康情報レポート (suntory.co.jp)
この『爽やかじゃない汗』の影響を一番受けやすい時期が今(6~7月)なんです。通常、この時期は汗の量を増やし、夏の体温調節の準備に入るのですが、エアコンが完備されている現代社会では、汗をかく機能が高まらない状態で夏を迎える人も多くなっています。さらに、コロナ渦でリモートワークやネットショッピングが増えたことが、この状態に拍車をかけています。つまり、今シーズンは、例年以上に夏バテや熱中症のリスクが高いのです。それだけでなく、大量に汗をかくと血液がドロドロ状態になり、めまいを起こしたり、倦怠感を感じたり、ときには脳卒中や心筋梗塞などをまねくことにもなりかねません。
今こそ『汗かきトレーニング』が必要なのです!
<軽めの運動で発汗機能アップ>
最も有効な方法は、やっぱり運動。特に、有酸素運動は手足など末端の血行もよくなり、自然に発汗をうながすことができます。ウォーキング、サイクリング、ジョギングなどが効果的ですが、まずは近所への買い物がてらの10分間ウォーキングがお勧め。体温がゆるやかに上昇し、汗が少しずつ出る運動を続けることで、能動汗腺が刺激されます。また、運動によってエネルギーを使うことで、食欲促進や睡眠の質のアップも期待できます。ご高齢の方は、室内での軽いストレッチや屈伸運動程度でもかまいません。ストレッチは血行をよくし、屈伸運動は筋肉を維持して基礎代謝量の増加につながり、それだけ汗をかきやすくなります。いずれにしても、「軽く息がはずみ汗ばむ程度」を目標にして下さい。
<上手な入浴で発汗機能アップ!>
一時期流行った『半身浴』。20分程度、38℃~40℃程度のぬるめのお湯に腰のやや上まで浸かります。41℃以上のお湯の場合は体表面を一気に温めますが、同時に血圧も急激に変動することがあります。それと比べて低めの温度でじっくり時間をかけて入浴すると、血圧変動が緩やかなので体に負担が少なく、また体の深部までじっくり温めることができ新陳代謝が上がるため、血行が良くなります。また、低めの温度のお湯は身体が休む時に働く「副交感神経」が優位になるので、リラックス効果が高まり、疲労感も穏やかに和らぐため、寝る前の入浴方法としても最適です。さらに、低い温度のお湯で時間をかけてゆっくりと汗をかくことで、毛穴から老廃物が出やすくなり、同時にリンパの流れも促進されて体内の有害物質もが排出されやすくなるので『むくみの改善』にもつながります。肝心の汗ですが、余分な皮脂や老廃物が出た後はサラサラとした質の良い汗が出るようになります。
さらにこだわりたい人は、半身浴の前に『手足高温浴』。手足はもともと休眠している汗腺が多いので、まずはここを42~43度の熱めのお湯で温めて目覚めさせます。この『手足高温浴』→『半身浴』を続けると、汗腺の働きは大幅にアップします。
ちなみに、入浴後の過ごし方も大切です。暑い日には、入浴後に薄着でエアコンの風にあたる人もいるかと思いますが、それは禁物。せっかく開いた汗腺が閉じて、休んでしまうからです。小まめに汗を拭いたり、団扇で仰ぐ程度が理想です。「せっかくの風呂上りに・・・」なんていうのはナシで。何と言ってもこれは発汗のトレーニングですから(‘◇’)ゞ
<大豆食品を積極的に摂取>
大豆に含まれる『イソフラボン』には、発汗を調節する働きがあります。やはり大豆に多くふくまれる『レシチン』は、食事からとったタンパク質や脂肪をエネルギーに変えるときに必要となる物質です。レシチンが不足するとエネルギー効率が低下し、汗をかきにくくなり、疲労しやすくなります。夏バテ予防にも大切な成分です。豆腐や納豆などを積極的にとりましょう。
<もっと簡単に汗かきトレーニングをしたい人は?>
もっと手軽に(もっと手抜きで!?)汗かきトレーニングをしたい人には、手足の温浴だけでもOK。まず、洗面器やバケツを使って少し高めの温度(42℃~44℃)のお湯をいれ、手と足首を同時に浸けてゆっくりと温めます。全身浴ではなく手足だけ浸けることにより、温まった手足から血液が全身にめぐり、体の芯まで温まります。結果、汗腺が活性化しサラサラの汗が出るようになります。
新型コロナワクチンの接種も少しずつ進み、ほんの少し明るい兆しも見えてきました。こんなタイミングで夏バテなんてもったいない!是非『汗かきトレーニング』を試してみて下さい。Let’s汗トレ(^^)ノ