『背中が曲がる、背が縮む、腰が痛いなどの症状は、骨粗しょう症による「いつのまにか骨折」のサインかもしれません。』なんていう、桃井かおりさんが出演していたCMありましたよね?正式には『脊椎圧迫骨折』といい、『骨粗しょう症』の方に多く見られます。背骨(脊椎)は、24個の小さな骨で構成されており、体の重みをバランスよく支えていますが、骨粗しょう症になると骨がもろくなるため、体の重みを支えきれずに脊椎が潰れてしまうのです。

この圧迫骨折、ただ痛いだけじゃないんです。猫背(円背)だけではなく、神経麻痺・歩行障害、逆流性食道炎、尿や便の障害(膀胱直腸障害)といった様々な症状の原因になりますし、寝たきり原因としては、脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)の次に多い疾患です。骨粗しょう症の段階での対応がとても大切なんです。

 

 

では、実際の骨を見てみましょう。こんな風になっちゃうんです!

 

 

では、どういった方が骨粗しょう症になりやすいか?以下のチェックリストでチェックしてみてください。

 

財団法人骨粗鬆症財団「骨の健康度チェック」より

特に、閉経後には女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減り、それに伴って骨の密度も急激に減っていくので要注意です。

 

 

予防の中心は『食事』『運動』。骨を強くする食事で一番大切なのは、もちろん『カルシウム』で、一日800mg程度摂取することが推奨されています。ただし、カルシウムをとるだけでは不十分!腸からのカルシウムの吸収を助ける『ビタミンD、カルシウムを骨に沈着させる『ビタミンK、骨から血液にカルシウムが流出するのを防ぐ『マグネシウム』も一緒に摂取することが大切です。また、アルコール多飲、タバコ、カフェインの過剰摂取、スナック菓子の食べ過ぎなどは骨密度を下げがちですのでご注意下さい。

 

運動自体での骨密度増加は1~3%程度と決して大きくありません。でも、続けることで骨密度の減少防いで骨を守る効果があります。また、運動することは転倒予防の効果がありますので、『骨折⇒寝たきり』の予防効果が期待されます。効果的な運動は色々ありますが、『ジャンプ』『背筋運動』『片足立ち』『スクワット』『四股踏み』などはお勧めです。

 

 

もちろん、ご自分の出来る範囲で行って下さいね

ちなみに、ビタミンD紫外線を浴びることで体内でもつくられます。ご高齢で屋内で過ごす時間が長くなっている方や、美容のために過度な紫外線対策を行っている方では、ビタミンD不足が心配されます。運動をかねて積極的に外出する機会をつくって、上手に紫外線と付き合っていきましょう。

もっと医学的なことが知りたい方は、医学生や研修医を対象としたこちらのブログをご覧ください。

 

骨粗しょう症の検査は非常に簡単に行えます。リスクの高い方はもちろん、今まで骨密度を一度も計ったことがない方は、是非一度医師にご相談下さい。