季節が急に進んできましたね。新型コロナウイルス感染症の流行が始まってからは、年中発熱患者さんの話題が出ていますので忘れがちですが、例年この時期は発熱患者さんが急に増え始める時期です。実際、当院の外来も、いったん落ち着いてた発熱患者さんが徐々に増え始めてきた印象です。「よっしゃ、また気合入れ直して頑張るか!」と思っていた矢先、政府から「屋外でのマスク非着用を広げていきましょう」(10月11日)という方針が発表されました。「この時期じゃないだろ!」と思わず突っ込んでしまいました。現場のこと本当に分かっているのか・・・と、ちょっと腹立たしく思っていたところに、『ねとらぼ』様から、マスクについての取材をしていただきました。熱い想いを語っていますので、お時間のある方は是非。

医者「今年の冬はマスクを外すべきではない」 政府の“脱マスク”に寄せられる不安を医者にぶつけてみた – ねとらぼ 

色々言わせて頂きましたが、お伝えしたかったのは「コロナに限らず、どんどん感染症が増えてくるこの時期に、『マスク外しましょうキャンペーン』は間違い!」ということです。新型コロナウイルス感染症への対策としても間違いだと思いますし、インフルエンザ、RSウイルス、溶連菌感染症、マイコプラズマ、おたふく等、どれもこれも感染症対策の基本は「手洗いとマスク」です。いずれはマスクを外すべきタイミングも来ますが、少なくとも今ではありません

あともう一つ記事内容の補足を。文章中、「マスクの着用にもフェーズ作りを」と話させて頂きました。上の方(?)から「マスクを外しましょう」では、一部の方々から反発を招くのは間違いありません。また、逆にマスクを外す“空気感”が完全に出来上がってしまったら、感染が再拡大した際に再び「マスクをつけて下さい」はなかなか広がらないのではないでしょうか?そんな「着けるか?外すか?」の二択にする必要はありません。むしろ、刻一刻と変わっていく状況に対しての対応としてはナンセンスだと思います。一番いい方法・・・これ、個人的には『天気予報』だと思います。

最近の天気予報って、ただ天気を伝えているだけではありませんよね。『花粉情報』『紫外線情報』『熱中症情報』など、我々の生活に必要な情報を沢山提供してくれます。ここにマスクの情報も入れてしまってはどうでしょうか。例えば「全く必要ない状態」をフェーズ1、「屋外でも屋内でも必須な状態」をフェーズ5みたいに設定し、毎日『マスク着脱フェーズ』として発表するのです。もちろん、それはあくまで“参考”にする情報です。『紫外線情報』が出ているからって日焼け止めクリームを塗る義務はありませんし、『熱中症警戒アラート』が出ているからって日傘を持っていくのは自由です。それと同じで、その日のフェーズを参考にしたうえで、個人個人がどうするか考える。これが一番です。

これ、あまりシリアスにやる必要はありません。「〇〇ジロー」的なキャラクターが「今週の『マスク着脱フェーズ』はこちら!」みたいなキャッチーな感じで伝えてくれた方が、自然に広がっていくんじゃないかなって思いますが・・・どうでしょうか?

今回の本題(?)はここからです!先日外来で「先生、前にクリスマスの時にホームぺージでお勧めの曲上げてたでしょ?あれ、良かったからまたやってよ」・・・最高の誉め言葉です(笑)。ま、ここを訪れて下さる方々の大部分に求められていないことは分かっていますが(汗)、ごくごく一部の方に向けて「秋の夜長にお勧めの曲」をセレクトしてみました!極力マニアックにならないように努めましたので、少しでもご興味のある方はお耳汚しをm(_ _)m

一曲目は1970年代に活躍したアメリカのバンド、Steely Danのボーカリスト、Donald Fagenのソロアルバムの冒頭曲である『I.G.Y』。ラテン音楽やR&B/ソウル、ブルー・アイド・ソウルやジャズなど様々なジャンルを高いレベルで融合させた“天才”の作ったこの曲は、好き嫌いを超越した完璧な一曲に仕上がっています。よくわかりませんが、バーボンが進みそうです(笑)。

二曲目はボイス・オブ・ロックの異名を持つ、元Trapeze/Deep PurpleのGlenn HughesのソロアルバムFeelから『Save Me Tonight (I’ll Be Waiting)』。今回唯一のハードロック畑のセレクトですが、この人の声は、そんなカテゴライズなんて無意味!ソウルフルで、まるで黒人シンガーの曲を聴いているような錯覚に陥ります。

70年代の女性シンガーソングライターの代表であるKarla Bonoff。ウェスト・コーストの香りが強い曲調に、彼女の憂いを持った歌声が乗ることで、唯一無地の世界観が広がります。しっとり歌われるこの『Restless Nights』は、秋の夜長に独りでしっぽり聴くには最高の一曲です。

1970年代に活躍したアメリカのプログレッシブ・ロックバンドAmbrosiaの全米ヒットチャート第3位の大ヒット曲『Biggest part of me』。ポップなサウンドにゴスペルのフィーリングが散りばめられており、透き通ってソウルフル、それでいてちょっとジャジーなDavid Packのボーカルがなんとも魅力的。個人的にも特にお気に入りの一曲です。

最後は、1979年に一枚だけアルバムを発表して解散したWilson Brothersの『Like Yesterday』。美しいメロディ、おしゃれなコード進行、見事なコーラスワーク・・・このアルバムを聴くたびに「何で一枚で辞めたの?」と不思議になるくらいの素晴らしいアルバムです。この曲の物悲しいけど何か優しい雰囲気も、秋の夜にピッタリです。

以上、趣味全開でお送りしました(笑)。寒くなってきました。皆様、くれぐれもお身体ご自愛下さいね。