適切な診断は丁寧な診察から――これは、わたくしが医師になってからの変わらない診療ポリシーです。しっかりとした病歴を聞き、詳細な身体診察を行うことはもちろんですが、会話の中から患者様の社会的な背景や人生観などを感じとることにより、個々の患者様に最も適した医療を提供することを心掛けています。ただ、通常の診療時間内では待ち時間等の問題もあり、十分な時間をお掛けすることができません。そこで、予約外来を設定しました。どのような患者様でももちろん大歓迎ですが、以下のような患者様は時間をかけた診察を行う必要があると考えます。

生活習慣病教育外来

厚生労働省によると生活習慣病は「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義されています。具体的には高血圧症、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、COPD(肺気腫)などです。読んで字の如く生活習慣の関りが強いため、詳しい生活歴をお聞きした上で、適切な薬を処方することはもちろん、それぞれの患者様にあった生活指導をさせていただきます。

インスリン導入外来

糖尿病は自覚症状なく進行し、末梢神経障害、網膜症、腎不全、心筋梗塞、脳梗塞等を引き起こす病気です。原因はいくつかありますが、最終的には膵臓から出され糖を分解する「インスリン」の分泌が悪くなっていきます。最初は飲み薬で対応することが多いのですが、症状の進行が抑えられない場合はインスリン注射を使用する場合もあります。いざインスリン注射と言われても不安に思われると思いますので、導入時は詳細な説明をさせていただきます。

心療内科外来

「緊張すると動悸がする」「ストレスが続くと胃が荒れる」「恋をすると胸が痛い」など、心と身体は繋がっており、これを「心身相関」といいます。「身体的変化を起こさない感情はない」とも言われ、どんな症状にも大なり小なり心が関与しています。心へのアプローチなくして、症状を完全に理解することは出来ません。ストレスの関与が強い緊張型頭痛、偏頭痛、高血圧症、不整脈、気管支喘息、胃潰瘍、機能性胃腸症、過敏性腸症候群、慢性疼痛などの他、軽症のうつ病、不安障害、不眠症などの診察をさせていただきます(あくまで内科の範囲内での対応です。専門医の診療が必要と判断した場合は継続診療が難しいこともありますのでご了承下さい)。

認知症外来

認知症の方の数は2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、団塊の世代の方々が75歳を超える2025年には700万人を超えると言われています。これは、65歳以上の方の5人に1人が認知症になる計算です。残念ながら現時点で認知症を治す治療はありませんが、進行を遅らせたり、症状を一時的に抑えたりすることは出来るようになりました。その治療は早期であればあるほど有用、つまり『早期発見』が非常に大切な疾患なんです。また、認知症のような症状で発症する『治療可能な認知症』もあります。症状を詳細に伺い、身体診察や認知症用の質問票、血液検査や頭部CT検査を行います。「自分はまだ大丈夫」と思わず、一度評価にご来院下さい(ご家族のみでの受診でも結構です)。

診断困難症例外来

病気の経過や生活歴を伺い、身体診察をして、簡単な検査を行い、必要に応じて精密な検査を追加する――これが、一般的な医師の診断の過程です。ただ、検査技術が進みすぎた結果、検査ばかりに頼る医師が増えているのが現状です。そして、多くの「診断困難症例」は、問診と身体診察がお座成りになっていることが原因です。「診断の8割は詳細な問診と身体診察でつけられる」とも言われます。もちろん、最終的な診断には精密な検査が必要になることもありますので、その際は適切な医療機関に紹介させていただきます。色々な病院を受診しても原因が分からない方、長い間症状で苦しまれている方は、是非一度ご来院下さい(その際は、可能な限り以前の投薬内容や検査データをご持参下さい)。

これら以外にも、簡易人間ドックや時間をかけた診察を希望される方は、是非予約外来をご利用下さい。また、医師が時間をかけた診察が必要と判断した場合は、我々から予約外来での診察をお勧めすることがありますのでご了承下さい(もちろん、受診料は変わりません)。

予約外来について

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