心疾患や脳血管障害の頻度は増加の一途を辿っています。現在、脳血管疾患・心疾患の死亡者数はがんと同水準と言われており、四人に一人が動脈硬化を一因とする疾患で亡くなっています。症状を自覚してから時間がないという点がガンとの一番の違いであり、ある日突然、脳梗塞・心筋梗塞といった疾病を発症するのが怖いところです。そして、発症すると命に関わるばかりではなく、介護が必要な後遺症が残るなど、生活の質を著しく低下させてしまうことになります。動脈硬化は生活習慣の改善で比較的予防できる疾患であり、早めにリスクを知ることが大切です

 

 

一般的に、動脈硬化の指標としてはコレステロール値が使われることが多いと思います。確かに、動脈硬化は血管の壁にコレステロールや中性脂肪がたまって、血管が狭くなったり、硬くなったりして、血液の流れが悪くなる状態です。そこに、ドロドロになった血液が詰まることにより心筋梗塞や脳梗塞が起こりますので、現在の数値を確認しておくことは非常に大切です。ただ、コレステロールが低ければ絶対に心疾患や脳血管障害にならないとも言えませんし、逆もまたしかりです。また、これだけ長く使われている検査項目にも関わらず、「コレステロールの値がいくつだから脳梗塞の可能性はこれぐらい」、といった質の高いデータは現時点ではありません(もちろん、コレステロールの有用性を否定している訳ではありません)。

 

 

LOX-index(ロックス・インデックス)検査は、動脈硬化の引き金となっている酸化変性LDLとsLOX-1という二つの物質の量を計測することにより、脳梗塞・心筋梗塞の10年後のリスクを判断することが出来る今までになかった検査です。特に、以下のような方にお勧めです。

 

  • ž ご家族に脳梗塞、心筋梗塞にかかった人が いらっしゃる方
  • ž  高血圧、脂質異常症、糖尿病にかかっていて 動脈硬化が気になる方
  • ž  将来の脳梗塞、心筋梗塞が心配な方
  • ž  40歳以上の方

 

LOX-indexの優れたところは、病気になっていない段階から、将来の脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを調べられるところです(実際、LOX-indexの値が高いと、将来の脳梗塞発症リスクは約3倍、心筋梗塞発症リスクは約2倍となることが分かっています。)。脳ドックなどの画像診断は、動脈硬化が進行して脳梗塞を発症して初めて確認できます。より早期に発見し、予防を行うことが重要な動脈硬化性疾患にとって、この違いは非常に大きなものです。

 

検査は血液検査で、特に食事の制限はありません。2~3週間程度で以下のような報告書が送られてきます(なお、保険適応外の検査になります。当院では税込み12,000円で行っています)。

 

【クリックすると、詳細な報告内容が確認できます】

 

人間ドックのオプションとしてはもちろん、通常の診察時でも検査することが可能です。お気軽にお問合せ下さい。