やっとインフルエンザのピークが過ぎてきました。まだまだ医師としての経験年数の少ない私が言っても説得力に欠けますが、メディアで言われた通り、今年の流行は間違いなく過去最高レベルだったと思います。しかも、一シーズンに2回罹患される方もいらっしゃって・・・もう少し流行時期が続きますので、引き続きお気をつけ下さい。
今シーズン頻繁に質問をされたのが「免疫力を上げるには何を食べればいいですか?」というものです。色々な食べ物があるのですが、『良質なタンパク質』『抗酸化力を高める物』『腸内フローラを高める物』がポイントです。
良質なタンパク質
免疫を司る『免疫グロブリン』はタンパク質でできていますので、免疫力を高めるために良質なタンパク質をとることは大切です。豆類、大豆製品、卵、肉類、魚類、牛乳などで、特にお勧めは、豆腐や味噌、納豆などの大豆製品です。肉類などの動物性食品の場合はどうしても脂質の量が多くなってしまいますのでより健康的です。また、体力が低下していても比較的食べやすいですし、後述する腸内バランスを整える食物繊維やビタミンB群も豊富に含んでいます。
抗酸化力を高める物
老化や発がん、動脈硬化などは、細胞が酸化する(サビる)ことで進行します。酸化させる物質を『活性酸素』といいますが、これが増えすぎると免疫細胞の働きも低下させてしまいます。この活性酸素を大人しくさせる『抗酸化物質』を多く含む食物は、老化防止、発がん防止、動脈硬化防止、免疫力アップの万能食材なんです。『ビタミンA・C・E』の豊富なほうれん草、小松菜、水菜、ブロッコリー、ニラ、カボチャ、キウイ、モロヘイヤ、『亜鉛』を多く含む牡蠣、ウナギ、牛肉、豚肉、『セレン』を多く含むウニ、しらす、胡麻、『銅』を多く含む干しエビ、レバー、ココア、『マンガン』を多く含む海藻、穀物、豆類、生姜などがお勧めです。
腸内フローラを高める物
免疫細胞の約70%は腸の中に集まっています。最近流行の「腸内フローラを整える」のは、『善玉菌』を摂取することで腸内環境を整え、免疫細胞を活性化させることが目的です。『善玉菌』を含む代表的な食べ物はもちろんヨーグルト。最近売られているR-1やLG-21といった商品は、代表的な『善玉菌』である乳酸菌やビフィズス菌がより多く含まれています。また、『善玉菌』は生きていますので、エサを与えることで元気になります。そのエサになるのが『オリゴ糖』です。味噌、醤油、大豆、ニンニク、タマネギ、ごぼうなどに含まれていますが、ヨーグルトとの食べ合わせがちょっと・・・。はちみつやバナナでヨーグルトと一緒に摂取しましょう。
豆腐とワカメの味噌汁、納豆、ほうれん草の胡麻和え、豚肉の生姜焼き、カボチャの煮付け・・・美味しく食べて免疫力を高めましょう!