歌手・女優の中山美穂さんが亡くなりました。突然の訃報で、ショックを受けていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。かく言う私もドンピシャの世代です。高校生の頃、勉強しているフリをしながら、中山美穂さんのラジオを聴いていました。ゆったりとした憂いのある声で、当時はちょっとドキドキしながら聴いていた記憶があります。まだまだこれから、といったお歳ですし、残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。
このブログを書いている時点でまだ死因は特定されていませんが、入浴中に亡くなられたとのことで、『ヒートショック』の可能性が指摘されています。これからの季節増えることが予想される病態です。以前のブログでまとめていますので、改めて掲載させていただきます。
『ヒートショック』とは、「急激な温度変化による血圧の急激な変動等が身体に及ぼす衝撃」のことを言います。冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、湯船に入る間に起こります。リビングから脱衣所に移動した際に、出来るだけ熱を逃がさないように全身の血管が縮み、その結果血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室に入るとさらに血圧が上昇します。その後、熱い湯船に入ると、血圧が急降下します。この『血圧のジェットコースター状態』が、危険なヒートショックの原因です。特に10℃以上の温度差がある場合は危険とされています(リビングが25℃で浴室が15℃以下・・・なんて、ありがちですよね💦)
健康を取り戻すOGスマイル(https://ogw-media.com/smile/cat_doctor/1214)より
この『ヒートショック』、冬の救急の現場では日常茶飯事です。実際、厚労省の『入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究』によると、1年間に約19,000人もの方が入浴中にヒートショックで亡くなっています。これは、交通事故の年間死亡者数の約4倍に当たる、非常にシビアな数字です。主に引き起こされる疾患は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、大動脈解離、心筋梗塞などで、いずれも致死率の高いものばかりです。特に注意が必要な方のチェックシートを作りましたのでご参照下さい。
最後に、冬の正しい入浴法をまとめておきます。
~入浴前~
1.コップ一杯の水分補給:脱水予防のため、コップ一杯の水やスポーツドリンクを。
2.脱衣所や浴室の温度差をなくす:脱衣所は暖房、浴室の壁にはお湯をかけて。
3.夕方食事前の入浴がお勧め:外気温が下がる前、食事の影響を受けない時間に。
4.入浴前に家族で声がけ:出来るだけ家族のいる時間に入浴しましょう。
~入浴中~
5.湯船に入る前にかけ湯を:肩からよりもみぞおちから下にかけるのがおススメ。
6.お湯の温度は41℃以下:熱すぎるお湯はリスク大!汗ばむ程度を目安に。長湯はNG!
7.体を温めるものを+α:入浴剤の他、ミカンの皮、大根の葉、昆布などで結構アップ。
8.リスク高めの人は半身浴:肩にタオルをかけるなどして冷えないように注意。
9.急に湯船から立ち上がらない:血圧の急降下を招きます。手を添えてゆっくり立ち上がりましょう。
~入浴後~
10.入浴後もしっかり水分補給:入浴中に失われた水分やミネラルの補充を。
寒い日の温かいお風呂。こんな幸せな時間を最悪の結果に繋げないために、是非気を付けて下さいね。