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お風呂タイムにご用心! 『ヒートショック』

今年は暖冬傾向で、インフルエンザをはじめとする冬の感染症が比較的大人しい印象です(もちろん、全然油断はできませんが)。ただ、冬の寒さの中には“落とし穴”が沢山あります。その一つが入浴中のトラブルです。今回は、その中でも特に気を付けたい『ヒートショック』について。

『ヒートショック』とは、「急激な温度変化による血圧の急激な変動等が身体に及ぼす衝撃」のことを言います。冬場に暖房の効いたリビングから脱衣所に移動し、湯船に入る間に起こります。リビングから脱衣所に移動した際に、出来るだけ熱を逃がさないように全身の血管が縮み、その結果血圧が上昇します。そこで衣服を脱ぎ、浴室に入るとさらに血圧が上昇します。その後、熱い湯船に入ると、血圧が急降下します。この『血圧のジェットコースター状態』が、危険なヒートショックの原因です。特に10℃以上の温度差がある場合は危険とされています(リビングが25℃で浴室が15℃以下・・・なんて、ありがちですよね💦)

健康を取り戻すOGスマイル(https://ogw-media.com/smile/cat_doctor/1214)より

この『ヒートショック』、冬の救急の現場では日常茶飯事です。実際、厚労省の『入浴関連事故の実態把握及び予防対策に関する研究』によると、1年間に約19,000人もの方が入浴中にヒートショックで亡くなっています。これは、交通事故の年間死亡者数の約4倍に当たる、非常にシビアな数字です。主に引き起こされる疾患は脳梗塞脳出血くも膜下出血大動脈解離心筋梗塞などで、いずれも致死率の高いものばかりです。特に注意が必要な方のチェックシートを作りましたのでご参照下さい。

最後に、冬の正しい入浴法をまとめておきます。

~入浴前~

1.コップ一杯の水分補給:脱水予防のため、コップ一杯の水やスポーツドリンクを。

2.脱衣所や浴室の温度差をなくす:脱衣所は暖房、浴室の壁にはお湯をかけて。

3.夕方食事前の入浴がお勧め:外気温が下がる前、食事の影響を受けない時間に。

4.入浴前に家族で声がけ:出来るだけ家族のいる時間に入浴しましょう。

~入浴中~

5.湯船に入る前にかけ湯を:肩からよりもみぞおちから下にかけるのがおススメ。

6.お湯の温度は41℃以下:熱すぎるお湯はリスク大!汗ばむ程度を目安に。長湯はNG!

7.体を温めるものを+α:入浴剤の他、ミカンの皮、大根の葉、昆布などで結構アップ。

8.リスク高めの人は半身浴:肩にタオルをかけるなどして冷えないように注意。

9.急に湯船から立ち上がらない:血圧の急降下を招きます。手を添えてゆっくり立ち上がりましょう。

~入浴後~

10.入浴後もしっかり水分補給:入浴中に失われた水分やミネラルの補充を。

寒い日の温かいお風呂。こんな幸せな時間を最悪の結果に繋げないために、是非気を付けて下さいね。

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