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新型コロナウイルス検査Q & A

メディアでしょっちゅう取り上げられている新型コロナウイルスの検査、結局、どういう時にどういった検査を受ければいいか、正直分かりにくいですよね?当院で行っている抗原検査、PCR検査について、皆さんからよくお問い合わせいただく内容についてQ & Aでまとめてみました。

Q1 そもそも抗原検査、PCR検査って何ですか?

いずれも「現在ウイルスに感染しているか?」を調べる検査です。抗原検査は、ウイルスに感染した細胞が特異的に産生する『抗原』を検知して診断に結び付けます。それに対してPCR検査は、ウイルスの『遺伝子』を増幅させて、検出する方法です。PCR検査はごく僅かなウイルス量でも検出可能ですので、抗原検査よりもより精度が高いと言えます(詳しくはQ2をご覧下さい)。

Q2 抗原検査、PCR検査、それぞれのメリット、デメリットを教えてください。

抗原検査は15分程で結果が出ますし、特別な検査機器を使わなくても検査できるというメリットがあります。ただし、ウイルス量の少ない場合は反応しないことが多く、無症状の人の感染の有無を調べる、いわゆるスクリーニング検査には使えません。また、PCR検査に比べると若干精度が劣るといわれています。具体的には検査陽性であった時はほぼ100%新型コロナウイルスに感染していると言えますが、検査陰性でも約70%程度しか新型コロナウイルスに感染していないとしか言えません。つまり、「確定には十分使えるけど、否定するにはちょっと弱い検査」と言えます。

PCR検査の正式名称は「ポリメラーゼ連鎖反応」(Polymerase Chain Reaction)で、ウイルスの遺伝子を増幅させて検出する技術です。微量の遺伝子を増幅させますので、ウイルス量の少ない発症直前でも拾い上げることができます。100%ではありませんが、現時点では新型コロナウイルス感染症に対して最も精度の高い検査方法です。ただし、精度が良すぎて、他人に感染させる時期を過ぎても陽性になってしまう場合があります(そのため、感染者が治癒したかどうかの判断には使えません)。結果の報告に1~2日程度かかるのもデメリットと言えます。

無症状…自主検査ならPCR?抗原? 精度に差、誤判定の恐れも|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

Q3 どのような時に検査を受けることができますか?

Q4 費用はいくらかかりますか?

基本的にはどなたでも受けることができますが、保険適応になるか保険適応外になるかで費用が異なります風邪症状があるなど新型コロナ感染が疑われたり、家族が感染し濃厚接触者※となったりした場合で、医師がPCR検査をする必要があると判断したら、PCR検査費用は公費負担で無料になります。ただし、初診料や処方箋料などがかかりますので、保険診療で自己負担3割なら2000円ほどの支払いになります。ちなみに、抗原検査の費用もPCR検査と同じく公費負担なら無料になります。

濃厚接触者とは(国立感染症研究所「積極的疫学調査実施要領」より)

「濃厚接触者」とは、患者の感染可能期間内(発症日の2日前から、診断後に隔離などをされるまでの期間)に、

  1. 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内・航空機内等を含む)があった者
  2. 適切な感染防護なしに患者(確定例)を診察、看護もしくは介護していた者
  3. 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
  4. その他:手の触れることのできる距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。

これらの条件に当てはまらず検査を希望される場合は、自費診療(保険外診療)になります。当院ではPCR検査を25,000円抗原検査を18,000円(いずれも税込)で行っています。

Q5 検査はいつ受けられますか?予約は必要ですか?

診療時間中でしたらいつでも検査を受けられます。ただし、抗原検査は結果の判定に15分程度かかりますので、診療受付終了の30分前までにお越しください(無症状で検査を希望される場合は、あらかじめ受付にお伝えください)。予約は不要です。

Q6 結果はいつ分かりますが?

抗原検査は15分~20分程度で判明します。PCR検査は外部の検査会社に提出しますので、結果報告まで1~2日かかります。

Q7 抗原検査とPCR検査を同じ日に受けることはできますか?

前述の通り、抗原検査は診断の確定には有効な検査ですが、感染の否定には不十分な検査です。抗原検査で陰性であっても、症状、その他から感染の可能性が否定できない場合は、PCR検査を追加する必要があります。その場合はいずれも保険診療になりますので、検査自体の費用はかかりません。また、PCR検査を実施して「陰性」となった場合でも、「呼吸器症状が一向に改善せず、引き続き新型コロナウイルス感染症が疑われる」と医師が判断した場合には、2度目の抗原検査・PCR検査を保険診療で実施することが可能です。

Q8 以前にコロナウイルス感染症を疑われて検査しています。新たに症状が出ているのですが、保険診療は受けられますか?

検査は、一連の新型コロナウイルス感染症を疑う症状に対して2回まで行えます。一度新型コロナウイルスに感染した人、あるいは陰性が確定した人であっても、その後に感染する可能性は十分にあります。このため、新たな症状で受診し、医師が必要と判断すれば、改めて検査を行うことが可能です

Q9  症状は改善したが、職場からPCR検査を受けるように指示がありました。検査は受けられますか?

PCR検査は、ウイルスの遺伝子を増やして検出する検査で、ウイルスの活動性が高いか低いかの判断はできません。そのため、ウイルスがすでに死滅しているにもかかわらず、遺伝子のかけらが残っていれば、PCR検査が「陽性」と出ることがあります。つまり、すでに自己の免疫がウイルスに打ち勝ち、体が回復し、周囲に感染させる可能性(=感染力)がなくなっているのにもかかわらず、PCR検査「陽性」となることがあります。このため、回復の判断には使えません。もし希望される場合は自費診療(25,000円)になりますのでご了承下さい。

Q10  診断書をお願いすることはできますか?

PCR検査の結果を踏まえての診断書発行は可能です。ただし、確定診断は医師の判断によりますので、必ずしもご希望に沿った内容にはならないかもしれないことはご了承下さい(例:検査が陰性であっても、経過から新型コロナウイルス感染症の可能性が否定できない場合は、「新型コロナウイルス感染症ではない」と明記することは出来ません)。診断書発行には別途費用1,000円(税込)が必要になります。

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