相変わらずインフルエンザが猛威を奮っています。ワイドショーでは連日のように「疑わしければ早めに受診を!」って、ほぼ天気予報並みに報じられていますよね。実際非常に大切なポイントではあるのですが、どんな時に疑えばいいかって、意外に難しいと思います。しかも、「早く受診しても検査で陽性って出ない」なんて情報が広がっていますので、どのタイミングで受診すればいいのか、迷われる方も多いんじゃないでしょうか(実際は検査キットの性能も上がってますし、検査陰性→インフルエンザじゃないなんて判断はしませんので、早めに来てただいて大丈夫です)。さらに、『はしか(麻疹)』や『風疹』といった厄介な感染症も流行ってますし、情報が渋滞しちゃいますよね(*_*;
皆さんが混乱しない、何かいい方法はないかなぁ~っと考えた結果、オリジナルのチェックシートを作ってみました。この時期に限らず、「これって風邪かな?」と思った時に注意すべき代表的な疾患のポイントを、それぞれ5項目だけ挙げてみます。
<風邪症候群>
調子が悪い時に「何か風邪っぽい」なんて使うことがあるかと思いますが、実際の風邪症候群は「上気道(喉、鼻、気管)の感染症」をいいます。基本的には自然に治りますし、基礎疾患がなければ重症化することも少ないです。
<インフルエンザ>
色々なところで取り上げられていますので、詳細は省きます。もちろん、重症化や感染拡大予防のためにも、早めの受診をお勧めします。
<溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)>
A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌がのどに感染して起こる病気です。10代の小児に多い病気ですが、最近は大人にも多くみられます。周囲への感染力は比較的弱く、多くは自然治癒しますが、かなり高い熱が出ますし、様々な合併症を引き起こす可能性もあります。
<伝染性紅斑(リンゴ病)>
ヒトパルボウイルスB19によって引き起こされる感染症で、子供ではほっぺたが真っ赤になる「リンゴ病」という可愛らしい名前で呼ばれますが、大人がなった場合は様々な症状を呈します。溶血性貧血という病態を合併することがあり、注意深い経過観察が必要になります。
<はしか(麻疹)>
麻疹ウイルスにより引き起こされる疾患で、非常に強い感染力を持ちます。多くは数日で熱が下がり、完全に回復しますが、肺炎や脳炎などの命に関わる合併症を起こすこともあるため、現在においても注意が必要な感染症です(詳細は以前のブログをご参照下さい)。
<風疹(三日はしか)>
風疹ウイルスにより引き起こされる疾患です。感染力は強いのですが、多くの場合重症化することはありません。しかし、妊婦さんが感染すると胎児が『先天性風疹症候群』を発症する可能性があります(こちらも、詳細は以前のブログをご参照下さい)。
Power Pointのデータもあげておきますので、ご自由にお使い下さい。
『ん?風邪?』のチェックシート
あくまでも「それぞれの疾患の可能性を上げる項目」というだけで、上記の項目に当てはまらないこともあります。あくまでも参考にしていただければ嬉しいです。
「風邪かな?」の時には、他にも様々な病気が隠れている場合があります。体調が優れない時はもちろん、「ちょっと心配」だけでも、遠慮なく医療機関を受診して下さいね(^^)