「今年の暑さは、大したことないな~」なんて思っている方、結構多いのではないでしょうか?実際、今年の6月は、ここ数年の「うだるような6月の暑さ」に比べると、明らかに気温の上昇が控えめでした。特に昨年(2025年)の6月は、記録的に早い梅雨明けとなり、関東や東海地方でも連日のように30℃を超える真夏日が続いていたため、それと比べると今年はかなり過ごしやすく感じられたかと思います。
ただ、この過ごしやすさもそろそろ終わり!気象庁の最新の1ヶ月予報(7月上旬~)によると、この先は偏西風の蛇行によって一気に暖かい空気に覆われやすくなり、全国的に「平年より気温が高い」猛暑の予想にシフトしています。中旬にかけては10年に一度レベルの高温が予想される地域もあり、梅雨明け前から猛暑日や熱帯夜が急増する見込みです。

6月が比較的穏やかだった分、私たちの体はまだ「本当の暑さ」に慣れていません(暑熱順化が不十分な状態です)。今このタイミングで「本格的な夏対策への豆知識」を確認しておきましょう。
目次
「熱中症」を防ぐ:のどが渇く前の“先手”が基本!
このブログでも度々取り上げていますが、やはり外せないのは“熱中症対策”。詳細は過去の記事を参照していただければ幸いです(『本当に怖いのは『熱中症』です』,『「隠れ脱水」—―何を飲む?』)。とにかくポイントは「水分は“摂っているつもり”でも、実は足りていない!」ということです。
- 「のどが渇いた」はすでに脱水のサイン
人間の体は、脱水が始まってから「のどが渇いた」と感じるまでにタイムラグがあります。のどが渇く前に、1~2時間おきにコップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。
- 「塩分」もセットで忘れずに
大量に汗をかいた時は、水だけを飲むと血液中の塩分濃度が下がり、かえって足がつる(熱痙攣)原因になります。スポーツドリンクや塩分タブレットを上手に活用してください。
- 室内でも油断は禁物
熱中症の約4割は、実は「夜間や室内」で起きています。「もったいないから」とエアコンを我慢せず、室温は28℃以下、湿度は40%以下を目安に快適に保ちましょう。
「夏バテ」対策:自律神経の乱れは「温度差」と「食事」で防ぐ
昔の「夏バテ」は、単純に暑さによるエネルギーの過剰な消費でした。でも、今は違います。体がだるい、食欲がない…そんな現代の夏バテの正体は、過酷な暑さと冷房による「自律神経の乱れ」です。
- 「激しい温度差」を避ける
外気と室内の温度差が7℃以上になると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。オフィスや商業施設では、羽織るものやひざ掛けを用意し、体を冷やしすぎない工夫を。
- 冷たいものの摂りすぎに注意
冷たい麦茶やアイスは最高ですが、胃腸を冷やすと消化機能が落ち、食欲不振のループに陥ります。時には温かいスープや、生姜・ネギなどの薬味を取り入れて胃腸を温めましょう。
- 夏こそ「ビタミンB1」と「アリシン」
豚肉やうなぎ、大豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える「疲労回復ビタミン」です。ニンニクやニラに含まれるアリシンと一緒に摂ると吸収率がアップするので、スタミナメニューが理にかなっています。
『夏バテ対策』についてもっと知りたい方はこちら ⇒ 『夏バテ予防にはこの食材!』『“熱中症”対策の後は“夏バテ”対策です!』

「蚊」の対策:狙われやすい人の特徴と、刺された時のNG行動
夏の不快な虫の代表格である『蚊』。あの、「姿は見えないのに耳元で『ブ~ン』」って感覚、考えただけでもゾワゾワしますよね。不快感もそうですが、蚊は様々な感染症の原因になり得ます。特にここ10年程問題になっているのが『デング熱』です。感染しないためには、当たり前ですが、何より“蚊に刺されないこと”!実は、蚊が寄ってきやすい条件があるんです。
- 蚊を引き寄せる3大要素
蚊は「二酸化炭素」「体温」「汗(乳酸)」を感知して近寄ってきます。そのため、運動後で息が荒く汗をかいている人、お酒を飲んで体が火照っている人は格好の標的になります。
- 足の裏を清潔にすると刺されにくい?
近年の研究で、足の裏の「常在菌の種類(匂い)」が蚊を興奮させることが分かっています。お出かけ前に足の裏をアルコール除菌シートで拭くだけでも、蚊に刺されるリスクを減らすことができます。
- 刺されたら「絶対に掻かない」
掻き壊して皮膚に傷がつくと、そこから細菌が入って「とびひ(伝染性膿痂疹)」や「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という強い炎症を起こすことがあります。まずは冷やして痒みを抑え、早めに抗ヒスタミン薬入りの軟膏を塗りましょう。
「蜂(ハチ)」の対策:もし遭遇してしまったら?
夏は『蜂』も厄介な相手です。私も小学生の時、夏休みのラジオ体操の帰りに数匹の蜂に襲われ、泣きながら帰った記憶が・・・ま、アロエだけ塗られて終わりましたが 笑 夏から秋にかけて活動が活発になるアシナガバチやスズメバチ。万が一の対処法を知っておくことが大切です。
- 黒い服や香水は避ける
ハチは黒い色に対して攻撃性が高まる習性があります。また、香水や柔軟剤の甘い香りはハチを刺激するため、アウトドアに出かける際は「白っぽい服」を選び、香水は控えましょう。
- 出会ってしまったら「静かにして、姿勢を低くして後退」
目の前にハチが現れた際、大声をあげて手で振り払うのは最も危険です(ハチを刺激します)。静かに身をかがめ、ハチを見ながらゆっくり後ずさりしてその場を離れてください。
- もし刺されてしまったら(応急処置)
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- すぐにその場を離れる(仲間のハチが集まるのを防ぐため)。
- 流水(冷水)で毒を絞り出すように洗い流す(口で吸い出すのはNG)。
- 抗ヒスタミン軟膏(ステロイド配合が望ましい)を塗り、冷やす。
注意:アナフィラキシーショック
刺されてから数分~30分以内に、息苦しさ、じんましん、めまい、吐き気などの症状が出た場合は、一刻を争うアレルギー反応(アナフィラキシー)の可能性があります。迷わず救急車を呼んでください。
「夏風邪」の対策:冬の風邪とは“原因”が違います
「夏風邪はバカがひく」なんて、今では明らかにハラスメントにあたる言い回しがあります。これ、古くは1786年に使用された記録が残っているそうです。確かに、エアコンの無い江戸時代なら、お腹を出して寝て、冷たいものを沢山飲んで体を壊して・・・なんてことを揶揄していたのだと思います。ただ、現代の夏に対しては医学的に全くの誤り!夏の風邪には、夏特有の理由があるんです。
- 犯人は「お腹」が大好きなウイルスたち
冬の風邪はインフルエンザなど「喉や鼻」にくるウイルスが主ですが、夏風邪の代表(エンテロウイルスやアデノウイルスなど)は「高温多湿」を好み、腸内で増える特徴があります。そのため、喉の痛みだけでなく下痢や腹痛を起こしやすいのが特徴です。
- 「クーラー病」が引き金に
冷房で体が冷え切ると、自律神経が乱れて免疫力がガクッと落ちます。そこに夏風邪ウイルスが忍び込みやすくなるため、「冷え対策」こそ最大の夏風邪予防になります。
『夏風邪』についてもっと知りたい方はこちらのブログ ⇒ 『今年は“夏風邪”に要注意です』
「ペットボトル症候群」に注意:スポーツドリンクの落とし穴
これからの季節、メディアでは毎日のように「水分をとりましょう」といったアナウンスがされると思います。もちろん大切なのですが、だからと言って、何でもいい訳ではありません!熱中症対策にと、スポーツドリンクやジュースをガブガブ飲んでいる人は要注意です。
- 糖分の過剰摂取で悪循環に
清涼飲料水には想像以上の糖分が含まれています。これらを大量に飲み続けると、血糖値が急上昇して「急性糖尿病(ペットボトル症候群)」を引き起こすことがあります。
- 「喉が渇くから飲む、飲むから渇く」の恐怖
血糖値が上がると、体はさらに喉が渇くようになります。そこでまた甘い飲み物を飲むという危険なループに陥り、ひどい時には意識が朦朧とすることも。「大量に汗をかいた時以外は麦茶や水にする」「スポーツドリンクは薄めて飲む、または経口補水液を選ぶ」よう患者さんに伝えると効果的です。

夏の「脳梗塞・心筋梗塞」:脱水が招く血管トラブル
心血管の病気は冬に多いイメージですが、実は脳梗塞は夏(特に6~8月)にも多発します。
- 原因は「ドロドロ血」
汗をかいて体内の水分が失われると、血液の体積が減り、粘り気が増してドロドロになります。これが血管に詰まることで、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
- 睡眠中と起床時が一番危ない
人間は寝ている間にコップ1~2杯分の汗をかきます。枕元に必ず水分を用意し、「寝る前」と「起きた直後」にそれぞれコップ1杯の水を飲むことを鉄則にしてもらいましょう。
「紫外線」と「目」の隠れた関係:肌だけでなく目も日焼けする
このブログで今まで触れたことはありませんが、夏といえば紫外線トラブル。紫外線対策といえば日焼け止め(肌)ですが、実は「目」の紫外線対策も同じくらい重要です。
- 目から入る紫外線で肌が黒くなる?
目に強い紫外線が入ると、脳が「強い日差しがきたぞ!」と察知し、全身のメラノサイトに命令を出して肌に日焼け止めを塗っていてもメラニン色素(シミの元)を作らせてしまうことが分かっています。
- 色の濃すぎるサングラスは逆効果
紫外線カット機能がない(または低い)のに色が濃いだけのサングラスをかけると、暗さで瞳孔が大きく開いてしまい、かえって大量の紫外線を目の奥に取り込んでしまうため非常に危険!「UVカット率99%以上」のレンズを選びましょう。
楽しい夏を元気に過ごすためには、事前のちょっとした知識と予防が肝心です。『いつもと違うだるさ』や『長引くお腹の不調』があれば、夏バテと侮らずに早めにご相談ください。
