茹だる様な暑さの8月が過ぎたら、台風ラッシュで雨続きの9月、朝晩と日中の寒暖差が激しい10月・・・身体がついていきませんよね。実際、今年の9月は、私自身あまり経験したことがないほど、気象に関わる病気の方が多かった印象です。常識外れな気候ですが、2030年頃から地球全体で『ミニ氷河期』に入るなんて予測も出ているみたいですし、おそらくこれからの時代は、常識はずれが当たり前になっていくのでしょうね。
新型コロナウイルスのパンデミック以降、インフルエンザも我々の常識から徐々に離れていっています。「インフルエンザは冬の病気」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、今年はすでに夏場(8月下旬)から全国的に流行期に入り、秋を迎えた現在も患者数の増加が続いています。特に、当院の在る岐阜市は、愛知県との人の往来が多い地域。今年は愛知県でアジア大会がありましたので、おそらく海外からの持ち込みも多かったと思います。肌感覚としては、愛知県の流行から1~2週間ほど遅れて流行が始まる印象がありますので・・・これからですね汗
「今年はなぜこんなに早いの?」「今から予防接種を受けても間に合う?」といったご不安に応えるため、今シーズンの特徴や今後の見通し、そしてご家庭で気を付けていただきたいポイントを整理してみました。

今シーズンの特徴:異例の「早期流行」と「A(H1N1)型」
- 2009年に次ぐ早さでの流行スタート
今シーズンは、感染症法に基づく調査が始まった1999年以降で、新型インフルエンザが大流行した2009年に次ぐ記録的な早さで流行が始まりました。学校の新学期が始まった9月以降、各地で学級閉鎖が相次いでいます。
- 主流は「A(H1N1)pdm09」型
現在検出されているウイルスの大半は「A(H1N1)pdm09」型です。昨シーズンは「A(H3N2)香港型」や「B型」が中心だったため、この「H1N1」型に対する免疫を持っていない人が多く、夏から一気に感染が広がった一因と考えられています。この 「H1N1型」は、持病のない若い世代や子どもでも肺炎などを合併し重症化することがあるため、「若くて健康だから大丈夫」と過信しないことが大切です。
- 冬にかけて「2峰性(2回のピーク)」の可能性も
「早く流行したから、冬には収まるのでは?」なんて淡い期待も持ちたいところですが、残念ながらおそらくそうはならないと思います。実際、先ほど挙げた、流行が異常に早かった2009年シーズンも、11月下旬にピークを迎えたものの、その後も急激に終息した訳ではなく、2010年4月までダラダラと発生が続きました。
インフルエンザウイルスには複数の型が存在します。今流行している「H1N1」型の流行が一旦落ち着いたとしても、本格的な冬の乾燥期にかけて、別の「A型(H3N2)」や「B型」による2回目の流行ピーク(二峰性流行)がやってくる可能性が十分に考えられます(一度かかった方も、同じシーズンにもう一度かかる可能性があります!)。来年春ごろ、場合によっては初夏までの長期間の警戒が必要です。
「予防と受診」のポイント
① ワクチン接種は「早め」がおすすめ
予防接種の効果が出るまでに約2週間かかります。すでに感染が広がっている今シーズンは、基本的には「早めの接種」が有効な対策となります。「早く打つと流行している途中で効果が切れるのでは?」と心配される方もいらっしゃると思います。確かに、最近は長期間に渡り流行が続く傾向があります。ただ、先ほど述べた2回の流行のピークは、ワクチンの効果が持続する約5か月の間にあると思われます。今シーズン1回のみ接種するなら、早めの方がよいでしょう。
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ちなみに、インフルエンザワクチンの予防効果は一か月後にピークを迎えますが、概ね60%程度の有効性といわれています。イメージするとこんな感じです。

なお、点鼻ワクチンの『フルミスト』は、1回の投与で1年程予防効果が持続するという報告もあります。適応のある方は、積極的な接種をお勧めします。
② 予防の基本を徹底する
- こまめな手洗い・手指消毒:外出後や食事前はしっかりと行いましょう。
- 適切な換気と湿度管理:空気が乾燥するとウイルスの飛散が増します。室内の加湿(50〜60%を目安)と定期的な換気を心がけてください。
- 十分な休養と睡眠:体力を維持し、免疫力を落とさない生活を送りましょう。
詳細な予防法については、過去のブログ(『インフルエンザが大流行しています!』)をご覧ください。
③ 受診のタイミング
「熱が出たけれど、今すぐ病院に行っていいのかな?」と迷われる方も多いかと思います。確かに、発熱直後はウイルス量が少なく、検査キットで正確な判定が出にくい傾向があります。でも、それはお医者さん側の都合ですので、気にしなくて大丈夫です!それに、検査キッドの情報はあくまで補助的なもので、仮に発症直後で検査が陰性であっても、医療機関では症状の経過や周囲の感染状況などから総合的に診断をしていますのでご安心下さい。「辛くて我慢できない」「高熱でぐったりしている」といった場合は、タイミングを気にせずいつでも医療機関を受診してください。 もし比較的症状が落ち着いている場合は、熱が出てから半日ほど経ってからの受診ですと、一度の検査でより確実な診察ができます。
④ 受診時の負担を最小限に
熱がある状態で長い時間お待ちいただくのは大変お辛いかと思います。当院では感染防止の観点も兼ねて、発熱のある患者様の別室での待機、優先的な診察など、患者様の負担を減らす体制を整えています。ご来院前にお電話一本いただけますと、到着後スムーズに診療にあたれますのでご協力をお願いします。
新型コロナウイルスのパンデミック以降、「感染対策疲れ」をしてしまっている方もいらっしゃるかと思います。もちろん、ウイルス達は容赦してくれません!あなたと、あなたの大切な人達を守るため、改めて感染対策を徹底してみましょう。お困りのことがあれば、いつでもご相談下さい。
