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お知らせ医療ブログ

新型コロナウイルス・・・もちろん、“今”の病気です

「毎年インフルエンザワクチンは欠かさず打っている」という健康意識の高い方でも、「新型コロナのワクチンは、まぁ…」とおっしゃる方が増えています。何度も接種を重ねてきた疲れや、「もう流行は落ち着いたのでは?」というお気持ち、とてもよく分かります。

 

「インフルエンザは怖いけれど、コロナはもう風邪と同じでしょ?」 もしそう思われているとしたら、残念ながら大間違いです。実は、高齢の方や基礎疾患をお持ちの方にとって、新型コロナが引き起こす重症化リスクや後遺症の影響は、インフルエンザよりも大きいのです。

 

「本当にインフルエンザだけの対策で大丈夫なのかな?」と気になった方は、ぜひ一度この記事を読んでみてください。

 

「残念ながら大きな間違い」の理由

 

はじめに、この表をご覧ください。

 

 

時期によっては同じ程度の死亡者数のこともありますが、ほぼ新型コロナウイルスの方が上回っています。しかも、年間1,000万人前後の感染者を出すインフルエンザです。『死亡率』という点で比較したら、さらに新型コロナウイルスの怖さが際立ちます(新型コロナウイルスは現在定点把握なので、日本全体の年間発症実数は公的には出しにくくなっています)。

 

あきらかに、「ただの風邪と同じ」ではないことがお分かりいただけると思います。特に、高齢者や基礎疾患がある方にとっては、高い重症化リスクを伴う感染症です。次に、このデータをご覧ください。

 

新型コロナウイルス インフルエンザ
年齢 平均値(SD) 72歳(24) 47歳(38)
中央値(Q1-Q3) 80歳(65-88) 64歳(5-83)
性別 男性 54% 53%
女性 46% 47%
免疫能が低下している方

(がん、移植後、重い腎臓病、免疫疾患など)

30% 13%
重症化リスクの高い方

(高齢、がん、心臓病、糖尿病、慢性腎臓病など)

74% 42%
入院日数 平均値(SD) 30日(30) 11日(27)
中央値(Q1-Q3) 21日(11-40) 5日(4-10)
集中治療室で治療を受けた方 3% 1%
人工呼吸器による治療を受けた方 6% 3%
入院中に亡くなられた方 12% 3%

Andersen KM, et al.: J Infect Chemother. 2025; 31(7): 102721.より

 

これは、2020年4月1日から2024年1月31日までに新型コロナウイルス感染症により入院した5,684人と、2017年11月1日から2019年10月31日までにインフルエンザにより入院した18,584人を比較したデータです。患者さんの人数も条件も違いますので単純比較はできませんが、新型コロナウイルス感染症はインフルエンザに比べ、入院するのは高齢者の方が多く、かつ高齢者の方は症状が重症化し、入院が長期化する傾向があることは明らかです。

 

その他、厚生労働省等の統計データ(2022〜2023年シーズンの分析など)によると、新型コロナ(オミクロン株主流期)に罹患した際の高齢者の致死率は、インフルエンザの致死率と比較して約2倍〜3倍高いことが報告されています。

 

その理由に関して、現時点では明確な理由は分かっていません。ただ、それぞれのウイルスの「感染しやすい場所の違い」によることが、要因の一つと考えられています。インフルエンザは主にのどや気管などの呼吸器を中心に炎症を起こしますが、新型コロナウイルスは「全身の血管(内皮細胞)」にダメージを与えるという大きな違いがあります。そのため、高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある方は特にウイルスが侵入しやすく、肺炎だけでなく心筋梗塞や脳卒中、急性腎不全といった重大な合併症を引き起こすリスクが跳ね上がるのです。

 

副反応の問題はありますが、65歳以上の、特に基礎疾患をお持ちの方にとって、迷わず新型コロナウイルスのワクチンを接種することをお勧めします。

 

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定期接種(ワクチン)に期待できる実際の効果

 

それでも、「ワクチンを打っても結局感染するから意味がないんでしょ?」なんて思っている方もいらっしゃると思います。もちろん、ワクチンを打っても新型コロナウイルスに感染することはあります。しかし、ワクチンの最大の目的は、感染を完全に防ぐことではなく、「もし感染しても、入院や死亡に至るような重症化を徹底的に防ぐこと」です。国内外の最新の研究でも、65歳以上の方が秋・冬の定期接種(追加接種)を完了している場合、未接種の方に比べて入院リスクや死亡リスクを約6割〜7割減少させるという極めて高い予防効果が実証されています。

 

改めて、新型コロナウイルスワクチンの効果をまとめてみます。

 

  • l  感染・発症予防:約1/2減少(ただし3カ月まで)
  • l  重症化予防:少なくとも半年は約1/3まで低下
  • l  排泄ウイルス量:約1/4まで減少(感染力を低下させます)
  • l  後遺症予防:約1/2~1/3程度まで減少
  • l  長期的健康影響(死亡)リスク:1/10程度まで大幅に軽減

 

少なくとも、新型コロナワクチンの重症化予防効果に関しては、間違いないところです。

 

ところで、『副反応』はどうなった?

 

パンデミック初期のころ、「高い熱が出た」「体がだるくて寝込んでしまった」といった副反応のニュースやご経験から、今でも接種に不安を感じている方は少なくありません。 結論からお伝えすると、パンデミック初期(1回目・2回目接種の時期)に比べると、現在のワクチン接種による強い副反応(高熱や激しい全身の症状など)の出現率はかなり落ち着いてきています。

 

実際、どの程度軽減してきているかは以下の通りです。

 

  1. 高熱(5℃以上)が出にくくなった

 

パンデミック初期のmRNAワクチン(ファイザー製・モデルナ製)の1、2回目接種直後は、全体の約35%〜40%前後(若年層では約50%)の人に37.5℃以上の発熱がみられました。 回数を重ねた追加接種や近年の定期接種では、高熱が出る割合は10%〜15%程度まで低下しています(高齢者層ではさらに低く、数%〜10%程度です)。

 

  1. 全身の強いだるさ(倦怠感)・頭痛が軽くなった

 

初期には60%〜80%近くの方が「強いだるさや頭痛で翌日会社や学校を休んだ」と回答していました。現在では、だるさや頭痛を感じる割合は20%〜30%程度に軽減し、多くは「腕の痛みや軽い違和感はあるものの、普段通りの生活が送れた」という軽度の症状にとどまる傾向が増えています。

 

  1. 重篤な副反応は「そもそも少ない」

 

アナフィラキシーや心筋炎などの重い副反応の発生頻度は、パンデミック当初から非常にまれ(10万人に数人程度)でしたが、厚生労働省の最新の継続調査でも頻度に大きな変化はなく、引き続き極めて低い水準であることが確認されています。

 

なぜ副反応が和らいできたのかは、主に以下の3つの理由が挙げられます。

 

1.体の「免疫のなじみ」ができたため

初めてワクチンを打った時は、体が未知の敵に対して激しく免疫反応を起こしたため高熱が出やすかったのですが、複数回の接種や既感染により体が慣れてきたことで、過度な炎症反応が起きにくくなりました。

 

2.ワクチンの成分量・種類の最適化

初期のワクチンに比べて有効成分の量が調整されたことや、従来型のmRNAワクチン以外にも、副反応が比較的穏やかな「組換えタンパクワクチン(商品名:ヌバキソビッド)」など選択肢が増えたことも影響しています。

 

3.適切な予防と対処法の浸透

あらかじめ解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)を準備し、発熱や痛みに早めに対処できるようになったことも、症状の重症化を防ぐ助けになっています。

 

「高齢者/基礎疾患のある方の重症化リスクが高い」「ワクチンには高い重症化予防効果がある」「ワクチンの副反応が大きく減少した」・・・これらを踏まえ、今一度新型コロナワクチンの接種について考えてみてください。ワクチン接種でお悩みの方は、是非ご相談くださいね。