糖尿病を気にされている方は多いと思います。『気になる健診項目ランキング!』なんてものがあったら、恐らく脂質系(中性脂肪やコレステロール)と双璧です(私見ですが💦)。でも、実際に糖尿病がどういう病気で、どんな症状で見つかって、どんな検査で診断して、どんな合併症に注意して・・・なんてご存じでしょうか?「彼を知り己を知れば、百戦殆からず」(孫子)です!『知ってて得するコモンディジーズ(よくある疾患)』の第一弾として、今回は糖尿病がどういう病気か、一緒に勉強していきましょう。

 

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がる病気です・・・て、ご存知ですよね。「糖質制限!」なんて言葉も流行っていますし、何かと嫌われ者の糖質ですが、脳・神経系に対する速効性の高いエネルギー源になったり、筋肉の運動や体温を維持したり、体の中を巡ってエネルギーを供給したりといった、非常に重要な役割をしています。また、糖質の一部は体の構成成分になったり、血液中のコレステロールを下げたり、便秘を予防したりと、生きていくためには欠かせないものです

 

そもそも、人類が誕生してからほとんどの時間は、食事のとれない飢餓の時代でした(突然大袈裟な話になってスミマセン)。そのため、人の体は血糖値が下がった時に備えて万全の体制をとっています。実際には、グルカゴン、アドレナリン(エピネフリン)、糖質コルチコイド、成長ホルモンといったホルモンに血糖値を上げる作用があります。それに対して血糖値を下げる効果があるホルモンは、わずかにインスリンのみ!なんと5対1!多勢に無勢で、飽食の時代の現在では、よほど気を付けていないと血糖値は上がっていってしまうんです

 

飢餓の時代ならいざ知らず・・・

 

 

では、どういった時に血糖値が上がるのか?簡単に言ってしまえば①入ってくる糖質が多すぎる②血糖を上げるホルモンが多すぎる③血糖を下げるホルモンが少なすぎるのどれかです。

 

①の「入ってくる糖質が多すぎる」のは、運動などで消費されるカロリーに対して相対的に多いということです。お医者さんが「糖尿病の気がありますので、まずは食事と運動を頑張りましょう」なんていうのはこのためです。②の「血糖を上げるホルモンが多すぎる」のは複雑なので省略しますが、お医者さんが「なんかこの高血糖は変だぞ!?」と思った際には調べることになります。③の「血糖を下げるホルモン(=インスリン)が少なすぎる」というのは、厳密に言えば「インスリンの分泌が少ない(インスリン分泌能が低い)」「インスリンが効くにくい(インスリン抵抗性が高い)」「インスリンの働きを妨げるものがある(抗インスリン抗体)」に分けられます。多くの糖尿病は③のどれかに当てはまりますが、それぞれ治療の方法が違いますので、診断の際にはこれらを区別するための検査を行います。

 

食いしん坊注意です!

 

では、血糖が高いとどんな問題が起こるのか?それについてはまた次の機会でお話しますね。